臨床開発の現状と今後

臨床開発(新薬)の現状と今後

国内の医薬品の開発状況は、年々、その開発品目数が減少傾向にあります。
その原因としては、新薬候補物質が見つかり難くなったことと、研究開発費の高騰によるテーマの絞込みが減少の主な原因と考えられます。
実際に、ここ数年間の治験届出総数新薬の初回治験届出数は減少傾向にあります。
このような状況の中、製薬企業におけるサバイバル競争は激化を続けているのです。
結果として、製薬企業の二極分化は、益々進み、その形態は、新薬開発型メーカーと後発品メーカーへの分化とニッチ領域へのシフトが進んでいます。
いわゆる中堅メーカーは、その選択を迫られている状況にあり、一部のメーカーは、ジェネリックへの新規参入を明言し、新薬開発型メーカーからの大きな決断をしている企業が出てきています。
一方、領域の絞込みを図り、新薬開発型メーカーへの生き残りをかけ、合併や業務提携並びに兼業メーカーの分社化という形となって現れてきている企業もあります。
実際に各社のHPをみてみると、各社領域への絞込み及び重点領域について発表しいている企業は多くなってきています。しかし、実勢に現在の承認申請しようとしている新有効成分品目と一致していない企業も散見されます。重点領域として掲げているものとしては、代謝性、中枢神経系、泌尿器、悪性腫瘍、免疫・アレルギー等です。
その一方、大手の製薬企業が開発を中止した薬剤を新たなニッチ領域として開発するメーカーが最近、起業されてきているのです。

 

新薬ができるまで

新しい薬ができるまで
新規物質の創製
合成・醗酵・バイオな等で多数の新しい物質をつくる
化学構造等の研究
新規物質の性状や構造を調査する
スクリーニング
簡単な試験で有効性を確認する
 
非臨床試験・・・動物を使用
薬効薬理研究
効果発現量の研究と使用法等にについての研究
薬物動態研究
吸収(A)、分布(D)、代謝(M)、排泄(E)に関する研究
一般薬理研究
体内への影響についての研究
一般毒性研究 
毒性及び有害作用などについての研究
特殊毒性研究
主に、発癌性と胎児への影響についての研究
 
臨床試験(治験)・・・GCP下において実施される
新規化合物によるヒトでの有効性・安全性の検証(PⅠ~PⅢの3段階) 
第Ⅰ相(Phase Ⅰ)臨床試験
少人数の健常人(ボランティア)による安全性の試験 
第Ⅱ相(Phase Ⅱ)臨床試験
(前期)少人数の患者での有効性・安全性の試験(用法・用量の推定等)
(後期)より多くの患者での有効性・安全性の試験(至適用量幅の決定等)
第Ⅲ相(Phase Ⅲ)臨床試験
多数の患者で新薬としての価値があるかを計画的に行う試験
 
承認審査
薬事・食品衛生審議会の部会及び薬事分科会での専門家による審査
 
承認・許可
薬価基準収載後、患者に使用可能となる
 
市販後調査(GPMSP)
臨床試験では検出できなかった副作用などに関して広範囲に調査する
 
再審査
市販後の一定期間の使用成績調査の結果を元に有効性・安全性の検証

 

製薬会社では、最近5年間で32万種類の物質探索・研究されてきました。しかし動物実験や臨床試験を経て「新薬」となったのはおよそ、その6000分の1です。しかも、新薬として認知されるまでの期間は、およそ20年以上。

臨床開発には、発想と技術、そして管理能力が必要なのです。